TRANCEWITHOUTMOVING 第2回 エイフェックスツイン「セレクテッドアンビエントワークス85−92」
←なんといえばいいのか(笑)

エイフェックスツインとはリチャード・D・ジェイムスの別称のアーティスト名義である。正直エイフェックスツインはあまり好きじゃない。あの精神病的な胡散臭い感じがいやだし音楽的にも彼のドリルンベースはあまりシンクロできない。

でも彼のアンビエントワークスはかなり好きだ。眠れない時この音楽を聴くと眠れることがしばしばあるから。なんだか一見貶しているように聴こえるかもしれないけどそんなことはない。癒し系音楽を聴いても却って目が冴えて眠れなくなってしまう。でもこの音楽を聴いているとなんともいえない安らぎを与えてくれるので体が疲れている時、眠りたいときに聴くと音自体が体にすーと入り心地よい気持ちにしてくれ眠気を誘ってくれる。この感覚は静かなクラシック音楽を聴いてもなかなか味わえない。

ではなぜこの作品を聴くとこんなにも心地よい気持ちになるのか。
まずこの作品のジャンルはアンビエントテクノ。アンビエント音楽の要素が強いテクノといったところか。
そのアンビエント音楽とはブライアンイーノがエリックサティの家具の音楽の影響を受けて提唱した音楽である。サティの家具の音楽は家具のように生活空間の中にあってそこで生活する人を邪魔することなく溶け込むことを目指して作られた曲である。いってみればBGMの走りである。それをより曲の構成よりも音そのものを重視し抽象的なものにして聴く者の無意識に働きかけ、より生活空間に溶け込むよう感じさせるのがアンビエント音楽であると僕は理解している。確かにこれらの音楽を聴いた時、空間と自分が一体になったように思え、不思議と気分が落ち着く。
このように考えると僕がこの作品を聴いて気持ちよくなるのはテクノの1小節単位で決められたフレーズとゆったりした四つ打ちのループによる脳内の雑念の消去と鎮静作用の分泌、 それにアンビエント音楽の人の無意識に働きかけ精神を安定させると思われる作用の相乗効果によるものなのかもしれない。

この作品の中で個人的に一番好きなのは2曲目のTha。シンプルなフレーズ音と角のとれた四つ打ちのビート音のループに水玉が水面に落ちる音とピンポン球が卓球台にあたる音が合わさったようサウンドが効果的に加わりいいアクセントになっている。
疲れているのに寝付けない時に聴くと爆睡間違いなしだ。 第3回TRANCEWITHOUTMOVING 第1回TRANCEWITHOUTMOVING冒頭に戻る
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