TRANCEWITHOUTMOVING 第3回 パフュームに見る日本ポップ音楽の構造・変容
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遅ればせながらというか恥ずかしながらというか最近パフュームにハマっている。洋楽やジャズやサブカル系Jポップばかり聴いてきた僕がついにアイドル音楽に目覚めたのかと思い、AKB48、ベリーズ工房、モーニング娘やKPOP関連を聴いてみたもののやはり駄目だった。
日本のアイドルはその性質上しょうがないと言えばしょうがないけど曲やパフォーマンスよりも「私」がメインで、不完全ながらも私たちがんばっています感がうざいというか白ける。チョメチョメさせてくれるなら好きになれるかも(山城新伍か!)。
kポップにしても洋楽や日本のR&Bを一通りきいてきた僕としてはその中間でかつ独自性の感じられないサウンドに新鮮味が感じられないのだ。
ではクラブ音楽かと言われるとそれも違う。彼女達のマイクエフェクターをかけた歌い方や意図的な口パクやロボット的な振り付けにもかかわらず、その歌い方や振り付けの中からにじみ出る彼女達のしぐさにほっこりした雰囲気が感じられる。それにかわいいけど少し探せば街にたくさんいそうなフツーっぽいルックスが合わさって今の等身大の若者のリアリティーを感じさせるのだ。それがクラブ音楽の享楽性では捉えきれない日常性をパフュームに与えている。
そういう意味でパフュームの音楽はアイドル音楽ともクラブ音楽とも違うニュータイプの音楽とも考えられる。

パフュームの音楽は一言で言ってフレンチエレクトロ+アイドル音楽だがこの曲のメロディーはどちらかというとアイドル音楽好きや従来のJPOPよりも洋楽ファンに受ける類のものだと思う。伝統的な日本のポップ音楽は従来の歌謡曲なり演歌に外国のポップ等の音楽のフォルムを被せて成立している。そういう意味ではパフュームの音楽はその路線を踏襲している。
でもパフュームの面白いところはその歌謡曲の部分にその核となるコブシやタメやうねりが感じられないことだ。それは今の共同体が崩壊した人間関係の希薄さのみならずネット環境の向上による外国のポップカルチャーの加速度的な流入による日本人のマインドの変化にあると思う。パフュームはパリでも人気があるのはそういったJPOPのローカル性がなくなったことにより外国人が聴きやすくなったからだろう。
今後その流れはjpopや音楽のみならずすべての領域で加速していくだろう。

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